PROFILE

研究所 予防衛生チーム

Sさん

2016年入社

・勤務地 栃木県那須塩原
・最終学歴 東京農工大学

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治す獣医ではなく予防する獣医になりたい

小さい頃から動物園や水族館が好きで、生物全般に興味を持っていました。獣医になろうという選択も自分にとっては自然なものでした。大学は農学部の獣医学科に進み、基礎研究を行う獣医生理学研究室でウズラにサトウキビの抽出物を投与してコルチコステロン、テストステロンの動態を見るという研究をやっていました。

学生時代の実習を通していろいろ見ていくうちに産業動物に関わる仕事をしたいと思い、伊藤忠飼料を志望しました。一般的に獣医の仕事といえば、病気になった動物を治すというイメージかと思います。しかし、病気にかかる前に予防し、健康に育てる仕事という側面もあると思うんです。病気にならないことで動物も幸せですし、産業として見ても安全な食品の安定供給に繋がります。この会社なら、そうした仕事ができるということが一番の志望動機です。入社後は研究所の予防衛生チームに配属されて、まさに希望通りの仕事をしています。

研究所配属の前には、新潟県にある事業会社の 株式会社I・ひよこ、続いて岩手県のアイ・ティー・エス ファーム株式会社の東北事業所で実地研修をしました。それぞれ2ヶ月半ほどお世話になっています。現在は検査室での業務が中心であるため、この2箇所の農場研修は現場を知るという意味ですごく大きな経験になっています。この2社とは今も衛生対策等を通じた関わりがありますが、実際の現場を見て、作業させていただいたことでいろいろとイメージしやすいところもあります。

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予防衛生チームの仕事

那須の研究所に来て2年になりますが、那須は住みやすいところですね。仕事の内容は専門的ではありますが、職場の雰囲気はとても和やかで、困ったときにはいつでも先輩や上司に相談しやすい雰囲気があります。自分にとっては新しいこと、初めてのことも日々出てくるのですが、そういったことも積極的にやらせていただけています。

私の仕事は、お客様や事業会社に対する衛生面での技術支援がメインです。病性鑑定や定期検査を通じて疾病状況を把握し、適切なワクチンの選択や衛生管理方法のアドバイスをします。他にも肉や卵、飼料の検査といったこともします。対象は農場だけでなく、食品や飼料工場の検査もしているという幅のある仕事です。現場から送られてきた検体の分析もしますが、時には出張して現場の状況を確認し、必要な検体を採材することもあります。

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一日の仕事の流れ

定時は9時です。私は少し早めの8時半頃出社して、メールと今日の予定を確認します。前日からの作業が残っていればそれをすませて、9時からは10分程度のチーム・ミーティングです。このミーティングは毎日行います。社員は4名ですが、チームにはパートさんや派遣社員の方もいらっしゃるので、10人のチーム全員で今日やるべきことの共有をします。

ミーティングのあとは宅配便で届いた検体を受け取り、検査を進めていきます。検体は定期的な検査対象だけでなく、時には病気で死亡した検体を解剖して原因を調べるといったこともします。届く量は日によってまちまちです。調査の時間も、検体が多ければ長くかかりますし、少なければ早く終わります。そういう意味では何時に何をして…という固まったスケジュールはありません。流動的な仕事です。

午後は検査の続きがあれば継続し、検査が終われば報告書を作成します。検査結果によっては対策についてのアドバイスをすることもあります。例えば何かの菌が原因ならば、こういう菌が原因なので、対応としてはこうしてください、こうしましょうという感じで作成します。

検査量がまちまちなので、午後も一律で毎日決まっているわけではありません。例えば出張でお客様のところに行く時は出張の準備として、前回行ったときの状況やこれまでの検査結果、営業や研究技術担当の方の情報を整理します。私はまだ入社から日が浅いので研究所にいることが多いのですが、最近少しずつ営業の方と一緒に外に出る機会も増えてきました。

出張のない日は検査主体です。検査はある程度の時間がかかります。検査結果が出揃ってくるのが夕方になりますから、そこからは報告書作成がメインになります。

伊藤忠飼料を志す学生の皆さんへ

私の場合は希望していた部署で、入社前から希望していた仕事をさせていただいていますので入社前と入社後で会社に対する印象に大きな変化はありません。会社という形で見ると、私は獣医学を学んできただけなので、いろんな専門、たとえば営業や総務、経理といった違う世界の人たちは新鮮に感じます。会社というものの幅や厚みですね。

この仕事に向いている人はどんな人だろうと考えると、やはり貪欲な向上心を持った人かなと思います。知っているつもりでいたことが、実はわかっていなかったであるとか、まったく知らないことが起こったとか、私自身も毎日わからないことと出会って仕事をしています。学校で検体を見て何かの結論を出すのとは違うんだなという感じですね。教科書通りとはいかないこともありますし、最善の対応も状況によって変わっていきます。そういう時に調べてみる、上司や先輩に訊いてみるといった行動力は必要だと思います。

そして主に検査を行う部署だからといって、検査とだけ向き合っているのでは仕事になりません。関わっている人はたくさんいて、そういった多くの人と円滑なコミュニケーションをとる能力は必要だと思います。

学生時代に何を学んでいたのかは、就職ではあまり重要ではないと思います。たとえば獣医として何かしらの勉強をしていればどこかでは必ず役に立ちます。しかし、あえてこれをしておかなくてはダメだ、不利だということはないはずです。むしろいろいろなことに興味があり、柔軟な考え方ができるということが大事なのかもしれません。

私自身がようやく3年目でまだまだ発展途上だと思っています。検査をしていて出てきた結果がしっくりこないこともあります。原因が不明瞭だったり不可解だったりするわけです。こうしたときに先輩が農場に赴いてアドバイスをした結果、状況が改善したということも何度かありました。幅広い知識と経験から導き出される結論の正しさといったものも体験しました。検査は結果を出しますが、結論を出すわけではないのです。検査をしてわかったことをいかに現場に還元していくかがこの部署での仕事だと日々感じています。
今後も現場での経験を積み、知識を深め、お客様の相談に答えることができるよう努めていきたいと思います。

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