有限会社 |
本社所在地 | 宮崎県都城市 | 肥育豚品種 | ケンボロー種 |
経営規模 | ♀500頭 + ♀420頭 | 出荷重量範囲 | 110~120kg | |
年間出荷頭数 | 20,400頭 | デジタル目勘 導入時期 |
2020年1月 | |
従業員数 | 19名 | デジタル目勘 利用台数 |
2台 |
本社所在地 | 宮崎県都城市 |
経営規模 | ♀500頭 + ♀420頭 |
年間出荷頭数 | 20,400頭 |
従業員数 | 19名 |
肥育豚品種 | ケンボロー種 |
出荷重量範囲 | 110~120kg |
デジタル目勘 導入時期 |
2020年1月 |
デジタル目勘 利用台数 |
2台 |
代表取締役社長 髙橋 功多 様
デジタル目勘を初めて知ったのは、名古屋で開催された「IPPS(国際養鶏養豚総合展)2018」でした。展示されていた試作品を見て「これはいい。いつか導入しよう」と思いました。体重測定の省力化は養豚生産者にとって夢の技術ですから。
人の目勘による出荷選抜は経験が必要です。しかしすぐ身に付くものでなく、豚衡機で測るのですが若い人にとって「養豚=ハードな仕事」をいうイメージにつながります。「誰でも熟練の技術が使える」というキーワードに、とても理に叶った商品だなと思った記憶があります。
デジタル目勘の説明を聞く髙橋様
当社は宮崎県都城市に本社があり、山田町と夏尾町の2ヶ所で農場を営んでいます。もともと肉豚選畜は全て私がやってきましたが、2農場となり時間が取れなくなっていました。誰かに任せるにも勇気が要ります。
そんな時ある人から「デジタル目勘を見ませんか?」と伊藤忠飼料さんを紹介されました。これが出会いでした。IPPSの時より開発が進んだ試作機を見てワクワクしました。伊藤忠飼料さんの熱意やこれに掛ける意気込みを感じ、まだ開発中で発売前でしたがその場で2台予約しました(笑)。
営業の芹澤くんや古矢くんも応援したくなる人柄で、彼らの真摯な態度や今後も進化する点も説明を聞き、「売って終わり」の商品じゃなくアフターサービスもしっかりしており、不安は全くありませんでした。
IPPS2018 で展示した試作機
私は「豚愛(ぶたあい)」という言葉を良く使います。出荷まで半年の中、できるだけストレスをかけずにいかに幸せに出荷するかを常に心がけています。週3回の体重測定で豚を追い回し、豚衡機に入れられるのは豚にとって恐怖でしかありません。今年のような酷暑で豚を豚衡機に入れると豚は痩せるし、最悪死ぬ場合すらあります。豚も人も、測るのは辛い作業です。
豚にストレスをかけないデジタル目勘は「豚愛」に叶う商品だと思います。「経営者なら辛くても測るのが正解」とお叱りを受けるかもしれませんが、今後人も減る中で新技術を積極的に採用し、きつい作業を減らすのも経営者の仕事だと思います。
デジタル目勘で撮影する様子
2つの農場へデジタル目勘を導入、比較試験も兼ねて運用方法はそれぞれに任せました。道具はいくら優れていても使いこなそうという思いが大切です。 従来は豚衡機と人の目の組み合わせで選畜していました。数頭を体測して基準豚を作り、後は人の目の判断です。しかし、軽そうに見えて実は重い豚に目を狂されます。今はこの基準豚作りをデジタル目勘に置き換え、悩む時にはデジタル目勘で3~4回撮影、その平均値で判断しています。片方の農場ではさらに豚衡機も一部併用と、農場ごとにカラーが出て、どちらが良いか比較しています。両農場とも「早くモノにしてやろう」と楽しみながら競い合っているみたいです。出荷成績は変わらずに、これまでに比べると作業スピードは上がりました。従業員からの評価は高いですね。
理想は全頭撮影ですが、実際逃げる豚は撮影できませんし、頭数が多ければデジタル目勘でも豚衡機と同じくらい選畜に時間はかかります。作業負荷と出荷成績のバランスであり、今はこの運用がベストだと思います。
枝重72kgで出すのか76kgで出すのかで売上は大きく違います。さらに攻めるため撮影力を上げていきたいと思います。
代表取締役社長 髙橋 功多 様
今年4月のバージョンアップで後ろからも撮影可能となり、作業性が大幅に良くなりました。次回もアッと驚くような進化を楽しみにしています。
今後期待したいのは、密着し過ぎても撮影できるようにしてほしいのと、強い光が差し込む場合でも撮れるようになるといいですね。撮りたい場所で撮れると作業時間がさらに短くなります。それから、デジタル目勘の精度向上は養豚業界全体のためにもどんどん進めて欲しいと思います。当社もデータ収集には積極的に協力しており、これからの技術の進歩を見ていきたいと思っています。
養豚業界で勝ち残っていくには成績向上が全てです。「豚愛」を大切にしつつ、良いものをロス無く、早く出荷して、今の従業員や獣医師、飼料や動物薬会社の人達の協力を得ながら、一緒になって国内トップの成績を目指したいと思っています。
2020年8月取材