PROFILE

シムコ 大館GGPセンター(出向)

Fさん

2004年入社

・勤務地 秋田県大館
・最終学歴 酪農学園大学
・社歴/入社14年

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水産業界への就職と獣医免許取得、そして再就職

子供の頃から昆虫や生き物が好きで、大学は水産大学に進みました。大学卒業後には学んだことを存分に活かせるということで、水産飼料会社に新卒として入社しました。そこで魚と接する仕事をしていたのですが、私が担当で扱っていたヒラメがエドワジェラ症という感染症にかかり、次々と病死するという事態が発生しました。手は尽くしたのですがエドワジュラ症を治療することができず、自分の無力を感じ退職して獣医になろうと決意しました。獣医となったのちの2004年に伊藤忠飼料に入社して今年で14年目になります。

元々が水産に携わっていたので、就職の際には水産にするか、それとも畜産など他の道を選ぶかという悩みもありましたが、伊藤忠飼料はそのどちらも扱っているというのが選択のポイントでした。水産と畜産、少し方向性が違うようにも思われますが、自分の中では"生き物"という大きな括りに属するもので、隔たりのようなものは感じていません。

入社から2018年の春までは那須の伊藤忠飼料研究所に所属していて、依頼を受けて血液検査や細菌検査、ウイルス検査といった畜産生物の各種検査をしていました。時々ですが水産生物の検査もあって、マグロなども検査しました。ちょっと変わったところではスッポンの検査というのも経験したことがあります。
検査の方法も日々進歩しており、伊藤忠飼料研究所では、新しい検査方法やワクチンなど最新技術を入手し、検査結果をもとにお客様のところへ直接アドバイスに行くといった仕事が主になります。

2018年の4月に、現場に出てその空気を味わってみたい、農場経営を学んでみたいという思いが強くなって研究所を離れ、今は秋田の株式会社シムコ大館GGPセンターに移りました。

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繋がっていく点と点

研究所に所属していたときは、「病気になったので検査してみてほしい」という"点"、つまりポイントでしかありません。現場には、そうした"点"がたくさんあって、実は繋がって"線"になっている。もっというと縦だけではなく横にも広がって面にもなる。ひょっとしたら高さというのもあって、もっと広がっているのかも知れない。そうしたことが現場に出てみて初めてわかってきました。毎日の日々の中に、豚にも豚の営みというのがあって、そこに人が関わっていくわけです。想像はしていましたが、農場仕事ですから体力も使います。こちらはちょっと想像以上だったかもしれません。

GGPセンターでは食肉になる豚から見ると曾祖父、曾祖母にあたる豚を育てます。その子供、つまり祖父、祖母にあたる豚をGP農場に出荷し、またさらにその子供(父母)たちが一般農場に出荷されます。父母から産まれた子豚が育って食肉になります。そのため、厳格な管理態勢のもとで、飼育された父母豚が一般農場に出荷されているわけです。

豚は1回の出産で12頭から13頭の子豚を産みます。病気や事故などで死んでしまう子豚もいますから、出荷できるのは、このうちで10頭程度です。交配から114日程度で子豚が生まれ、母豚は年に平均2.3回出産します。母としての役目を終えれば、この豚も出荷されていきます。

シムコ大館GGPセンターでは所長を含めて12名の社員が働いています。獣医は私ともう1名の2名体制です。現在は、繁殖が主な業務になりますが、1頭でも多くの豚の命を救って、いい子豚をより上のステージに上げてあげたいと思っています。

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現場を経験して見えること

口蹄疫が流行したときに、その対応で現場に出たことがありました。私が行った農場は防疫もきちんとおこない、管理体制も十分で、感染した豚はいなかったのですが、感染警戒範囲に含まれていたため、健康な豚を淘汰しなくてはなりませんでした。獣医になるきっかけだった感染症にかかったヒラメ同様、なんとも悲しかったですね。この処置は、その後の感染拡大を止めるために必要な処置だったと思いますし、そこには納得しています。でも人間は理屈でわかっていても、なかなか心情でまで理解できず悲しかったです。

現場を見たいという気持ちと一緒に考えていた農場経営の学習は、まだ現場に出て半年ということもあって、まだまだこれからの状態です。いってしまえば病気や防疫しかわからなかった自分ですが、設備投資や繁殖計画といったことも理解し、知識が増えれば、お客様にもいろいろな角度から見た提案ができるのではないかと思っています。

毎日の業務は朝7時頃に出社して、外界から菌を持ち込まないようにGGPセンターのお風呂に入り、除糞と給餌、発情確認して種付け交配という流れです。これで10時頃になります。その後はいろいろですが、たとえば離乳という母豚を次の繁殖のために子豚から離す作業をします。お昼に愛妻弁当を食べたら、午後は洗浄や消毒です。一連の作業が終わったら事務処理をして18時頃に帰路につきます。

豚の元気は飼料を食べる量でわかります。当然飼料の質も大事ですが、まず豚が食べる気持ちになっているかどうか、ここが一番大事ですね。多少体調が悪くても飼料をしっかり食べてくれれば大丈夫だと判断できます。こういったことは現場で毎日豚と接していくことでわかってきます。

気づきには愛情が必要

伊藤忠飼料への就職を志す皆さんには、生き物に対する愛情を持っていただきたいと思っています。畜産であれ、水産であれ、生き物が好きであることですね。愛情を注ぐことで、動物のちょっとした変化にも気がつくことができるでしょうし、そこで対応もできるようになります。何かに気づけるか気づけないかの差は、その対象に興味があるかないかだと思うんです。

気がつけば疑問も沸きます。疑問が沸けば、経験者に尋ねる、自分でやってみるという行動の動機になります。

私自身、まだ今は勉強中なので、新しいことを早く身につけて自分でできることをどんどん増やしていきたいと思っています。同じ志を持てる人たちが後輩として入ってきてくだされば、心強いし、私自身にも会社にとっても活力剤になるのではないかと考えています。

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